のほほん

*家、建てちゃうよ

結婚してから、しばらくの間は「住む所なんて借家で充分だね」 「マイホームを建てるなんて、歳を取ってからでいいよね」なんて夫婦で話していた。
建築雑誌やインテリアに興味がある旦那には、漠然とした「住みたい家」の形があったらしいけれど、 私は特に「家」に対するこだわりは持っていなくて、どちらかと言うと、「庭」の方が憧れだった。
とにかく二人にとってマイホームは、「いつかは…」って程度の『夢』だったのだ。

それが突然、「よし、建てるぞ!」なんて、『夢』ではない『決意』に変わったのは、なぜだったんだろう?

親しい友人が、ポツポツとマイホームを持ち始めたから???
私の親の「早く建てちゃえ!攻撃」がうるさいから???
ネコが増えて、今の借家が手狭になったから???

きっと、どれも理由のひとつだけど、そんな理由は今までも同じだったのだ。
結局は、『突然気持ちが盛り上がった!』ってこと。
カラダのどこかにあった、「家を建てたい!」って言う気持ちのタイマーが 「カチッ」と時を告げてしまったに違いない。

それからは、欲求に素直で後先考えず動き出す、短絡的で行動的な私達。
ローンも頭金もどこへやら、すでにアタマの中は『家、建てちゃうよ!』って事で いっぱいになって、早速、展示場巡りに励み出すのであった。


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かえるライン

*展示場めぐり:1

まず最初に向かったのは、市内にある複数のハウスメーカーが軒を連ねる展示場だ。 おそらく、家を建てようと思った人達の多くが訪れる場所であろう。
「家を建てたい!」とは言うものの、「どんな家が建てたいか?」と言う 一番基本的な希望が、まだはっきりしていなかった私達。
まず最初は、様々な形・間取り・設備・外観の家を「たくさん見る事」。
とにかく、それを第一の目標にする事にした。

それから、なんと言っても非常に苦しい経済状況の我が家(涙)。
『金のかかる夫』と『節約できない妻』の生活だから、もはやどうにもならないのだ(笑)。
だから、「どんな家を建てたら、どれくらいお金が掛かるのか」という「おおよその基準」や 「どこのメーカーなら、より安く建てられるのか」を知る事も、かなり重要なポイントである。

展示場に足を踏み入れた当日は、ハウスメーカー「Sハイム」の『880万円の家』と言う 抽選イベントの期間中だったので、早速張り切って応募してみたりもした。 (ほぼ一年中、イベント期間だって話もあるけど:笑)。

しかし、ホントにいろんなメーカー・いろんな建物があるもんだ・・・。。 工法・性能・様々なプラン。
何の知識も無い分、全てが「すげぇ〜っっ!!」って思えるけれど、 逆に言えば「で、どこのメーカーが1番いいの??」って疑問で一杯になった。
だって、どこのメーカーの営業マンに聞いたって 『我が社が1番です』 としか答えてくれないんだから(笑)。
・・・そりゃそうだけどさ。バカな質問してすみませんね・・・。

まぁそれにしても、普段余り口を開かない男(旦那)と暮らしている私にとしては、 「とにかく喋り倒す!」営業マンの方々に、尊敬の念さえ感じてしまった。 ウチの旦那じゃ、一日でクビが飛ぶだろ〜な〜〜。

展示場めぐりは、まだ始まったばかり。 先はまだまだ続くのである・・・。


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かえるライン

*展示場めぐり:2

展示場めぐりを始めると、すぐに怒濤の営業攻勢が開始された。
これは後でわかった事なのだけど、各メーカーのモデルハウスに入るとすぐに書かされる 『アンケート』ってヤツが曲者だったらしい。
このアンケートはどのメーカーでも、大抵、家族の人数から始まって
「年収はいくらですか?」
「頭金はどれくらい出せますか?」
「土地はありますか?」ってな質問が並んでいる。
私達の回答は、年収は人並み以下、頭金予定も「0ゼロ」と言う惨めなものであったが(涙)、 「土地は〜」の項目だけは、「あります!」だったのだ。
まぁ勿論、この「土地」とは、私達の物ではなくて、実家所有のものなんだけど(笑)。
とにかく、この「あります!」が、営業攻勢開始の合図になってしまったわけなのである。
考えてみれば、確かにそうだ。 土地が決まっているとなれば、後は建てるだけで良い。 これから土地探しを始める人に比べたら、格段に話が早い。
そう、営業マンにしてみれば、逃してはいけない「カモ」なのだ、私達は。

そんなこんなで、軽い気持ちで展示場に向かったはずの私達は、それから一気に様々なメーカー・様々なタイプの営業マンと 何回もの打ち合わせを重ねることになった。

「営業マンなんて喋りのプロ。上手い事、口車に乗せられたらどうしよう?」
「でもいつか、運命のハウスメーカーに出会ってしまうに違いないわ♪」

なんて、軽い不安と淡い期待を胸に秘めていた私なのであるが、 どういうわけか、その後は全くそんな事にはならなかった(笑)。
なぜか私達が巡り会う営業マンの方々は、どうも『自滅型』が多かったような気が・・・。
特に過大な期待を抱いていたつもりもないし、「家」に関しては全くの素人だし、ただ普通に・常識的に話し合いを 進める事ができれば、それだけで充分だったんだけれど・・・。。。

私達の考え方がおかしいのかな? 私達の感覚って、やっぱり変なのかな?

・・・うん、仕方ない。御縁がなかったってだけの話だわ。


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