(佐野市上羽田町)
佐野市郷土博物館に展示されているエラスムス像の本体は、もともと上羽田の竜江院というお寺におさめられていました。地元では、カテキ様とよばれ、不思議な話が伝わっています。
月のないまっ暗なさびしい夜のことです。
川のほとりに通りかかった村人が ザザァー、ザザァー
というぶきみなあずきをとぐ音を聞きました。村人は、気になって川原に下りてみると、まっ暗やみの中で、あずきをとぐ年をとったおばあさんがいました。よく見ると、かみの毛が銀色をしたカテキ様でした。おどろいた村人は、いちもくさんに家に向って走っていきました。
それからというもの、上羽田の子供たちはたそがれ時になるとあずきとぎ婆があらわれるといってはやめに家路についたといいます。
(「佐野市史民俗編」より)
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