渡良瀬川研究会50年誌発刊
2025年も最後の日を迎えました。締めくくりにあたり、今日は、地元の書店で見かけた一冊の本を紹介させていただきます。『渡良瀬川研究会50年誌』(渡良瀬川研究会編)という書籍です。「渡良瀬川研究会」という団体をご存知でしょうか?人によっては、何か河川を研究している団体と勘違いしてしまうかもしれませんが、本のサブタイトルを見るとわかります。「田中正造と足尾銅山鉱毒事件研究」を目的とした団体です。
また、主に群馬県と栃木県を流れる渡良瀬川というと、皆さんはむしろ、森高千里さんの「渡良瀬橋」という曲を思い出すでしょうね。実は自宅から車で10分の距離のこの川は、私の故郷の自慢でもあります。しかし、残念ながらこの団体は2022年12月3日の第50回シンポジウムをもって活動を終了しました。閉会を機に、記録を残そうとこの本は編纂されました。
(田中正造または足尾鉱毒事件そのもののお話は横において)このテーマを扱う団体や組織は、ここ2、3年で相次いで活動終了・解散となっています。もちろん現在でも活動を続けている団体もありますが、経年による住民の関心の低下や団体を支える活動家の引退などで運営が困難になったようです。この本はその一団体の活動記録的なものですが、初心者の私にとっては、50年の歴史と運動のリーダーの軌跡がわかり、個人的には待望していた、そしてタイムリーな一冊と思います。
もしも田中正造や足尾銅山鉱毒事件をテーマに扱う団体が新たに生まれるとしたら(私も願うその一人ですが)この本は、団体運営のノウハウもわかる「テキスト」としての役割を発揮するかもしれません。私たちは足尾鉱毒事件の教訓によって「人間によって環境が破壊される」ことを学びました。2026年が明日から始まりますが、過去の教訓を忘れないことも「人新生の時代」に生きるために必要ではないでしょうか。

