招き猫vsスパイウェア〜激闘は憎しみ深く〜



1.些細な兆候

最初は本当に些細なことだった。
My Picturesの調子が悪かったり、PCの処理速度が前より遅くなっているような感じがした程度だった。
そしてエスカフローネを展示室にUP後、訂正箇所があったのでもう一度サーバーにデータをUP使用としたところ、UPできなかった。その時はただ調子が悪かっただけだと思っていた……
しかし、次の日。PCを立ち上げてみると、デスクトップの壁紙が壊され、青い警告風の壁紙に変えられていた。そして出るエラーメッセージ。何か悪いものが入り込んだとはすぐにわかった。だが、その時点ではまだ自体を甘く見ていた。


2.招き猫、乱心

招き猫は早速、エラーを起こすファイルを特定。グーグルで検索してみるとスパイウェアであることがわかった。
招き猫はスパイウェアの存在は知っていても、対処法はしらなかった。だが、招き猫は集中力を発揮すると普段の能力以上のことをする。HPもゼロから約1週間半で作り上げた。
招き猫はその集中力を使って、すぐに対策と除去ソフトをダウンロードし、25もあったスパイウェアはすべて、削除修復した。それで闘いは終わるはずだった。
だが、そのスパイウェアは新型だった。しかも、通常の方法では削除できなように自己防衛機能を持ち、更に削除されても分身ともいえるバックアップファイルを生み出し再生するという、とてつもない厄介な代物だった。
それでも、招き猫は対策掲示板で同じような被害にあっている人への対処法レスを参考に、様々な手を打った。ただ、新型故か情報があまりにも少なかった。それでもできるだけの事はした。
しかし、それはすべて徒労に終わる。そして招き猫の集中力には最大の欠点があり、集中が切れると、反動で腑抜けになったり精神が安定しなかったりするのだ。特に必ず失われるデータがあったから、リカバリはしたくなかったので、そのギリギリまでの手段、システムの復元を行い失敗した時は、招き猫は荒れた。
招き猫トラウマのひとつに「不安な状態で希望・可能性にかけて、その可能性が無になり絶望を突きつけられた時」というのがある。システムの復元失敗はもろにそれだった。元々精神安定していなくて、薬飲んでいる身である。かなり精神にこたえた。それで荒れに荒れた。気分的には右手が血まみれになろうがなんだろうが、引き戸のガラスを右手で殴り割りまくりたいのを抑えて、壁とかを殴ったり、蹴ったりしていた。
結局、両親をも巻き込んだ(説教と心配された)末に、最後の決断を強いられることになった。


3.敗北と再生

落ち着いてから、新型スパイウェアを招き猫は冷静になって推測してみた。
まず、Aというファイルがエラーを引き起こす。そして、Bというファイルも生まれそれに続く。そして通常の方法で削除した場合、AorBがお互いをバックアップとし、更にA’というバックアップ専門と思われるファイルを生み出す。場合によっては削除した瞬間からそれにより再生することもある。
しかし、その程度ならば、スパイウェア対策にあったソフトを使い少々強引な手段ながらも削除はできる。だが、それですら再生するということはCドライブのどこかに未知のCというファイルが存在していると推測した。そしてそれこそが本体であるスパイウェアなのだと。
そのCという本体と思われるファイルが、Cドライブやインターネットエクスプロラーを狂わせ、起動毎に特定のまた別種のスパイウェアを2種呼び込む。
そこまで推測して招き猫は敗北を認めた。Cというファイルを特定できない以上、まるごと消去するリカバリしか手段はないと。 仕方なしにバックアップをとり、リカバリを行った。完全な招き猫の敗北だった。


4.生まれ変わるほど強くなれる

リカバリを行い、スパイウェアは完全に除去された。同時に様々なファイルやデータが消えてしまったので、すぐさまコピー、ダウンロード、インストールを繰り返した。
今回の教訓にウイルスだけでなく、スパイウェア対策にも気をまわすことになった。今回は不運が重なったこととはいえ、スパイウェアを軽視していたことも原因のひとつにあるだろう。
人間万事、塞翁が馬。このこともそういったことでいい経験になるかもしれない。まだまだ招き猫も未熟だ。
<了>



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