• トップページ
  • 本院の方針
  • 歯科治療内容
  • 歯の豆知識
  • インフォメーション
  • リンク


歯の根のはなし ~Q&A~


1.歯の根はどんなかたち?

 歯の根の形は歯の種類(乳歯、前歯、奥歯、上顎の歯、下顎の歯、親知らず)によってそれぞれ異なった形をしています。奥歯ほど複雑な形で上顎の奥歯は根の数は3本もあります。ひとそれぞれ、微妙にその形が原因で歯周病を引き起こしたりすることもあるので根の形を理解しておくことは非常にに重要なことです。(図:2-A)


2.歯の中はどんなかたち?

 歯の中には歯髄腔という神経の入っている空洞があります。そのかたちも歯の種類によって、複雑なかたちをしています。当然複雑になればなるほど、治療自体が困難になっていきます。(図:2-B)


3.根の治療をしなければならない病気にはどんなものがあるの?

 大きく分けると2種類あります。むし歯が進行して歯髄腔にまで達してしまった場合におこる歯髄炎というものがひとつ。もうひとつはすでに神経が死んでしまった歯髄腔に細菌感染が起こってしまった場合、いわゆる感染根管におこる根尖性歯周炎や、歯根のう胞、歯根肉芽腫などです。


4.症状はどんな感じ?

 歯髄炎の場合、神経はまだ生きているため、激しい痛みを感じます。つまり、神経に触ったような尖った痛みです。また、冷たいものが極端にしみてきます。ただ、初期段階では温かいものではしみませんが、病状が進行すると温かいものもしみてきます。また、さらに症状が進行すると、逆に痛みが全くなくなります。これは神経が死んでしまったからです。この段階で治ったと勘違いして放置する方も多いのですが、ここから感染根管に移行していくので、決して治ったわけではありません。
 感染根管の症状としては、神経は死んでしまっているので神経の痛みではなく、歯周組織の痛み、つまり噛んだり、たたいたりした時、鈍い痛みを感じるようになります。また、根の先に細菌が巣をつくって骨を溶かすため、少し歯がぐらついたりもします。ヒトによっては全く症状が無く、レントゲンをとってはじめてそこに病気があることを自覚する場合もあります。普段はその程度ですが、疲れや、病気などで体の抵抗力が衰えると、細菌の勢力が強くなり、歯肉が腫れたり、激痛があったり、膿がでてきたりもします。


5.根の病気の治療はどのようにやるの?

 歯髄炎の場合は神経の除去をし、その跡につめやすいようにしてから、再び感染しないように根の中に詰め物をします。感染根管の場合、歯の感染した部分を削り出して根の先の病巣を抗生剤や、消毒剤などでたたいてから再び感染しないように詰め物をします。行っていることは同じようなことですが、内容がまったく違いますので神経の除去は2~3回で終わりますが、感染根管は根の先の病巣が消滅するまで数週間~数ヶ月かかることがあります。また、根の先の病巣がバイオフィルムを形成していると薬に治療では完治しないため、根の先端を切除したり、ひどい場合には抜歯しなければならなくなってしまいます。

歯の根の中と先には多くの細菌が存在しています。(図:2-C)


6.おわりに

 根の治療は非常に繊細で困難な場合が多いのでじっくりと治療することが必要です。また、歯髄炎は抜髄(神経の除去)をしてしまうと痛みがなくなるため来院をやめてしまう方もいますが、これが最も危険で、根の中に薬を入れっぱなしにしておくと、根の先の破壊を増長してしまいます。つまり一番重要なことはむし歯を放っておかないことと、きっちりと通院していただくことです。

図:2-A



図:2-B



図:2-C
病巣部形成と治療方針の
基本事項の模式図


戻る


© Yasuge Dental Clinic , All rights reserved.