二月十日

ホワイトワールド尾瀬岩鞍

天気 気温 積雪 選択板
晴れ時々雪 -2℃ 160cm スノーボード
 さて、今シーズン二度目のスキー場ですが、今回私が選択した板はスノーボードです。

 ゲレンデに鎖骨を一本献上して以来、一年一ヶ月ぶりとなります。

 それだけに少しだけ恐怖心がありましたが、そこはそれ。

 慣れれば大丈夫といざ向かうは初級者コースです。

 と、その前に今回このスキー場を選んだ理由などを少し。

 きっかけは、前回のスキーの帰りに割れてしまった車のフォグランプを修理しに行った時の事、修理を担当した整備士の人の強い勧めがあったためでした。

 普段私が行っている高杖とそんなに距離的には変わらない事と、この辺では一番大きなスキー場だからという事でした。

 とは言え、その分人も多いけどね。とのことでしたが行ってみてなるほどと思いました。
 リフト券売り場、それからゴンドラに並んだ長蛇の列。

 駐車場に入る時に貰ったコースマップを見て、「すげー広いじゃん。」などと喜んでいた事などあっさり忘れて、げんなりしました。

 とは言え、折角来たのだから楽しまないと。

 と言う事で、2.800メートルのロングコースを滑る為にゴンドラへ。

 しかし、並んでから実際にゴンドラに乗るまでおよそ二十分。

「ロングコースを滑ったら、また並ばなきゃならないから取りあえずは上で滑ってて、帰りに一気に降りてこよう。」
 と、満場一致で決定。

 ゴンドラを降りて少しいったところにある、上級者コースに向かうため取りあえず降りてすぐの所の中級者コースを降りる事に。

 久しぶりのボードだと言うのにチャレンジ精神旺盛ですが、残念な事にそこまで行ってしまうと初級者コースが無かったんです。

 そんな訳で、いざ滑ろう……って、滑り方忘れちゃったよ!

 そんな訳で、滑降数秒で転倒。

 これってひょっとしてやばいんじゃないの?

 そう思いつつも、ここまで来た以上もう戻れません。

 もうやけだと言わんばかりに飛び込みます。

 案の定転倒の嵐。

 何とかコースが終わる頃には、よたよたと滑り降りる事はできるようになりましたが、両足が半端じゃなく痛くなってしまいました。

 しかし、確かな不安を抱えながらも、何の躊躇もなく上級者コース行きのリフトに向かう辺り、真性のマゾです。

 乗り場の小屋に大きく張られた、「初級者の方は乗らないでください。」の張り紙がとっても素敵。

 取りあえず自分達は初級者じゃないと言い聞かせながら長い列を並んでリフトで上へ。

 上から見たコースはそれなりのコブ斜面。と言うよりも、未整備コースと言った方がいいですか。

 圧雪してないから自然に出来たコブ、と言う奴です。

 当然、スキーだったらたいしたことは無いのですが、そんな事を言っても始まりません。

 先ほどのコースで僅かに掴んだ感覚を糧に飛び出します。

 コブにぼんぼん跳ねながらバシバシとゲレンデと熱い抱擁をかわす私。

 もういいっちゅーねん、と言う位愛し合った後、降りた頃にはもうへとへと。

 ところが、そんな私の隣に颯爽と立っていた友達の一言に驚愕。

「今のコース面白かったな。」

 マジですか。

 もう一本行く?

 てな、顔でこちらを見ている友達に対抗心がメラメラ。

 やぁぁぁってやるぜ! てな感じでリフトへゴー!

 ……そして、そこで延々十本以上すべるのでした。

 しかし、さすがにそこまで滑るとヘトヘトになる二人組。普段の運動不足が憎い。

 そんな訳で、休憩と昼食を兼ねて近くのレストハウスへ。

 時間は十二時。さすがに混んでるだろうとは思いましたが、取りあえず中へ。

 ところが、そこは予想以上の大混雑。

 十分待っても空く気配が無いのに痺れを切らし、再び外に出て上級者コースへ赴きました。

 そこで四本ほど滑り、最後の方は180°も五割ほどの成功率ながらも決められるようになり、かなりの充実感も味わいました。

 ところが、ここへきて今度は友達の方がへばって来てしまいました。

 滑るスピードも明らかに鈍り、その限界模様は押して知るべしです。

 そんな訳で、再びレストハウスへ。

 しかし、そこにあるのは変わらず混雑した店内。

 二十分ほど待っても席が空く様子が無いのに切れて、「もう下まで降りて、町の方で飯は食おうよ。」との私の言葉に、友達もしぶしぶ同意。

 そのときの時間は二時二十分。その時点で腹のほうはかなりやばい事は分かってはいたのですが、その場にいてもイライラするだけなのですぐにその場を後にしました。

 そんな訳で目指すはメインディッシュのロングコース。

 幾つかのリフトと、コースを抜けて、たどり着くと、二人一緒に飛び出しました。

 さっきまで上級者コースばかりで揉まれてきたのは伊達じゃありません。

 この程度の斜度など! と、スピードを出して滑走します。

 ようやくカービングも復活し、調子よく滑ってました。

 ところが……

「……長い。」

 コースの半分ほどに来たところでとうとう私の足も終わりを迎えました。

 さっきまで上級者コースばかりで揉まれてきたのは伊達じゃありません。足の踏ん張りなどゼロです。ゼロ。

 そんな訳で、ノンブレーキで壁に突っ込む私。

 斜度がそれほどじゃなかったのが幸いしました。

 更に後ろを見ると、友達の姿はまったく見えず。どうやら、調子に乗って飛ばしすぎて置いてきてしまったもよう。

 仕方ないので、休憩も兼ねて友達の到着を待ち、見えたところで再スタート。

 足の踏ん張りが利かないので、小さくターンしながらゆっくり降下。

 下についた時には二人の膝は大爆笑でした。

 そうして、帰ることになったわけですが、帰り際に二人でゲレンデマップを見て苦笑しました。

 理由は、一定のコースばかり滑っていたため、半分以上のコースを滑っていなかった為です。

 今回はもうしょうがないので、次に来たときに一通り滑ろうと心に決めて、二人帰路につきました。

 ……駐車場の途中にあった売店で、コロッケとカレーパンを買って空腹を紛らわせたのは言うまでもありませんが。




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